oozumo-hitosuji パロニアの相撲ブログ

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【大相撲】番付の基礎・階級やしくみ 関取ってなに?

いよいよ大阪場所が近づいてきていますね!

今年は3月10日(日)から開催されます。

 

本場所は年に6回、奇数月の第2日曜日か第3日曜日から15日間行われることになっていて、毎回場所が始まる2週間前の月曜日に「番付発表」というのがあります。

 

今回はその番付のことをざっくりと話していけたらと思います。よろしくお願いします。

 

目次

 

 

 

番付発表とは?

まずは力士の番付の解説の前に、毎回本場所前にある番付発表とはなにかを話します。

 

お相撲さんは相撲部屋へ入門すると、最初のデビュー場所に番付に載ることが出来ません。

はじめは本場所の取り組み開始時間(序ノ口がはじまる8:30頃)の少し前に、前相撲とよばれる、次の場所で番付に載るための順番決めを行い、そのほかの番付に載っている幕下以下の力士は15日間のうちに7番相撲をとり、十両以上の関取は15日間相撲を取って次の場所の昇進をめざします。

 

本場所序ノ口以上の番付に載っている力士も前相撲の力士も成績に応じて、次の場所の番付が上がったり下がったりします。

 

番付は本場所が終わった三日後の水曜日に、番付編成会議が審判部の親方たちで話し合って決められますが番付は十両の昇進(新十両、再十両)のみ発表されそれ以外の番付の力士は非公開となっています。

 

そこで決めた番付が公に発表されて、番付が配られる日が本場所が始まる2週間前の月曜日の番付発表の日と決められているのです!

 

番付一覧

 

番付はほとんどの力士が前相撲からはじまり(例外として三段目付け出し、幕下付け出しもある)一番上の横綱を目指して、みんな努力しています。

 

力士はだいたい序ノ口から横綱まで全員合わせると約660人くらいいます。(2019年)

 

基本的には階級ごとに定員が決まっていて、番付は東西に分かれます。

東西は各番付において東のほうが番付が上でその次に西の力士となってて、ランクは東西順番に下へおりていきます。

 

※下の一覧は上から階級順に表示しています。

 

関取とは?階級解説!

次に力士の階級ごとに詳しく解説します。

 

関取とは先ほどの一覧の色付きで、十両以上の力士のことを指します。

 

番付は基本的に定員が決まっており、関取は70人と固定されているので、力士の総数の約上位10%というほんの一握りの強い相撲取りです。

 

幕内

幕内とは十両以外の前頭以上の関取の総称です。(番付一覧の青の力士全員です)

 

全力士の上位約6%という強い力士です。 

 

横綱

横綱は力士の最高の地位で一番階級が上の力士です。

 

定員は決まっておらず、横綱になる条件は大関で2場所連続優勝もしくはそれに準ずる成績をおさめつつ横綱審議委員会の3分の2以上の賛成があれば昇進できます。

 

横綱になると横綱土俵入りをするようになり、付き人もそれまでよりも多く7~8人に増えます。

 

一度横綱になると引退するまでは番付が下がることがなく、常に最高の成績が求められる責任が一番重い立場になっており、怪我や衰えなどで思うような成績を残せなくなると引退をせまられます。

 

三役

三役とは大関、関脇、小結のことです

 

大関

大関横綱と同じく定員がなく、横綱に次ぐ番付になっています。

 

昇進する条件は直近3場所で小結、関脇で33勝以上を挙げたうえで理事会で満場一致の場合。

 

大関は2場所連続で負け越すと関脇に陥落します。

 

大関で負け越すと「カド番」とよばれ、関脇陥落のリーチがかかりその場所で負け越すと次の場所は関脇に陥落してしまいます。

 

ですが関脇に落ちたその場所だけは例外として10勝以上することができたら再び大関に復帰することが出来ます。その場所が9勝以下なら、また3場所で33勝しないと戻れません。

 

関脇

定員は東西1人ずつの2人か大関から陥落したりする場合の3人のときもあります。

 

大関以上は特別な地位とされていますが、関脇以下の力士は勝ち越し、負け越しと成績次第で番付が変わっていきます。

 

小結

定員は東西1人ずつの2人。

 

小結から三役とよばれ前頭よりも格上の番付です。

 

前頭

定員は決まっておらず関脇以上の関取の数で枚数が調整されます。

 

幕内(前頭~横綱)の定員が42人なので、大関横綱の昇進や陥落などで枚数が増えたり減ったりします。

 

前頭の昇進の目安は、前頭から陥落する力士の数、引退力士の数に合わせて十両の番付上位の成績が優秀な力士が昇進できます。

 

だいたい関取の成績による番付の昇降基準はきまっていて、まわりの力士の成績しだいでもありますが、勝ち星ー負け星の枚数だけ昇降します。

 

基本的には8-7なら+1なので1枚up、4-11なら-7で7枚downというような基準があります。

 

十両

定員は東西14枚づつの28人です。

全力士の上位約7%~10%の力士になります 

 

十両から関取とよばれるようになり、2ヶ月に一度の給料が毎月もらえるようになり、付き人がついたり待遇が幕下よりも天と地ほどの差があり、幕下以下の力士は全員ここをめざしています。

 

十両昇進の目安は十両から陥落する星の力士、引退する力士の数だけ、幕下から昇進することができ、幕下15枚目以内で7戦全勝、東の筆頭での勝ち越しは無条件に昇進でき、そのほかの成績の力士は上から落ちてくる力士の兼ね合いがあり明確に決まってはいません。

 

若い衆(取的)とは?幕下以下の力士

幕下以下の力士は正確には力士養成員といい毎月給料がもらえません。

 

その他に若い衆や取的という呼び方もありますが、どれも関取ではない幕下以下の力士のことを指します。

 

若い衆の人数は力士全体の90%にもなり、ほとんどの力士がほぼ無給の生活をしています。

 

十両になるとはじめて一人前の力士という扱いになり給料がもらえるようになり様々な待遇がよくなりますが、それまでの幕下以下の力士は見習い扱いなので色んな雑用もしなければいけません。

 

若い衆はいくら部屋での生活の食費や宿泊費などがかからないといっても相当キツイ生活になってます。

 

関取と若い衆の境目の西十両14枚目と、東幕下筆頭の力士だと番付は半枚しか変わらないのに、天国と地獄のような差が生まれてしまいます。

 

こんなに待遇が変わるスポーツ選手は大相撲くらいじゃないかなと思います。

 

はやく一人前の力士になりたいと関取を目指して努力する。そういう格差があるのも大相撲の醍醐味でもあると思います! 

 

幕下 

 幕下力士は若い衆だから弱いのかというわけではありません。

幕下は全部で東西60枚ずつの120人います。

 

全力士のうちの上位約10%~30%の力士です。

 

幕下の120人のうちでもすこし違っていて、幕下上位と呼ばれる幕下15枚目以上の力士はほとんど関取と力に大差はありません。

幕下上位というのは関取(十両)にあがるための一つの壁で、昇進するのは15枚目以上の力士しかできません。

 

十両にあがる条件として幕下15枚目以上の全勝か上位の力士の成績次第で昇進できるかというのがあるので、幕下の中でも待遇は変わらないですがひとつの目標になっています。

 

マチュア相撲の学生や社会人が指定された全国大会で優勝した人だけが前相撲をせずにいきなり幕下からはじめられる、幕下付け出しという制度があります。

 

全日本相撲選手権大会」(アマチュア横綱)、「全国学生相撲選手権大会」(学生横綱)、「全日本実業団選手権大会」(実業団横綱)、「国民体育大会」(国体横綱)といういずれかで優勝した場合に、幕下15枚目格付け出しの資格を得ることが出来ます。

 

さらに全日本相撲選手権大会で優勝に加え、いずれかもうひとつで優勝した場合には幕下10枚目格付け出しの資格を得ることはできます。

 

幕下というのは若い衆のなかでは一番上の番付であり、着るものや待遇にも三段目以下の力士より良く幕下にあがるだけでも十分すごいといえます!

 

 

三段目

三段目の定員は東西100枚で200人と決まっています。

全力士のうち上位約30%~60%でちょうど真ん中くらいの強さになります。

 

幕下へ昇進できる基準は、三段目10枚目以上で4-3、25枚目以上で5-2、50枚目で6-1、7-0なら無条件で上がれます。

 

三段目にも付け出しがあり、幕下付け出しの条件になっている四大会において、いずれかでベスト8以上で三段目最下位格付け出しの資格を得ることが出来ます。

 

序二段

序二段の定員は決まっておらず、力士の総数によって人数は毎場所変動します。

最近ではだいたい100枚前後になっています。

 

三段目への昇進基準は、20枚目で4-3、38枚目以上で5-2、68枚目以上で6-1、7-0で無条件で昇進します。

 

序二段力士はある程度相撲経験があり実力のある中卒の子でも、すぐに通過して三段目に上がれるレベルで、一般のちょっと鍛えている成人男性でも勝てるレベルです。

 

入門したての未経験の力士や、やる気のなくなった年を取ってきた兄弟子が多い番付になっています。

 

序ノ口、前相撲(番付外)

序ノ口も定員がなく、枚数は毎場所変動します。

 

序二段への昇進基準は勝ち越せば無条件で上がれます。

 

それ以外にも毎年三月場所には前相撲を取る新弟子が多く五月場所の序ノ口の枚数が一気に多くなってしまうので、勝ち越さなくても番付順に繰り上げで序二段に上がることもあります。

それをケツ上がりと呼んでいました。

 

序ノ口には入門したてで相撲を覚えたての子や大怪我をして番付を落として、番付外へ落ちないように最後の7番目の相撲を取るだけの力士ばかりです。

 

序ノ口で一番も取り組みせずに休場してしまうと次の場所は、番付から外され番付外に落ちてしまいます。

番付外になってしまうと、また前相撲からやり直さなくてはいけなくなります。

 

番付外へ落ちて大怪我をゆっくり治す力士や、部屋を脱走して連絡が取れず名前だけ在籍している力士もいます。

 

まとめ 

以上が番付ごとの説明になります。

関取というのはほんの一部の力士で、それ以外の9割近いお相撲さんが若い衆で稼げないという大相撲の構図になっています。

 

力士は十両以上の関取になることを夢見て、ほとんど前相撲からはじまって成り上がっていきます。

その過程の三段目や幕下の成長も見ていて応援したくなりますし、また十両以上の関取とは違った世界を見せてくれる幕下以下の取り組みも非常に面白いです!

 

 

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