oozumo-hitosuji パロニアの相撲ブログ

元力士のブログです(^-^ゞ相撲界の裏側や大相撲の魅力を伝えていきます!よろしくお願いします✌️

【付き人】本場所中の付き人の1日の仕事②(支度部屋、前編)

前回は出発するまでの朝の話をしました。

今回は場所入りしてから支度部屋での付き人の仕事を話していきます❗️

 

まず基本的に本場所では十両の関取には付き人が1人~3人(ほとんどが2人)付いて、前頭、小結、関脇は2人~3人付きます!(3人が多い)

 

大関には3、4人付いて横綱は7人以上付きます。

付き人は関取と同じ部屋の力士がやりますが、人数が少なかったりしたら同じ一門の部屋や仲が良い部屋から本場所だけ付き人をお借りすることがあります。

 

関取の付き人をやらせてもらって、関取たちの取り組み前の雰囲気や勝負に対する考え方など、とても勉強になることが多いです。

 

特に同じ部屋に関取がいなくて将来が有望な幕下力士などは、同じ一門や仲が良い部屋の関取の付き人をして勉強するケースが多いです!

 

それでは支度部屋での仕事を簡単に説明します。

 

付き人の1日の仕事(本場所、支度部屋編)





支度部屋で関取がすること

  1. 大銀杏を結う(部屋で結ってくる力士もいる)
  2. 取り組み前のウォーミングアップ
  3. 十両土俵入り、幕内土俵入り
  4. 取り組み
  5. 風呂
  6. 髷を結い直す

 

大まかに分けて関取がやることはこのくらいです。

それでは付き人がする仕事をもう少し細かく解説していきます!

 

 

関取と一緒に場所入りして支度部屋に入ると、明け荷がズラーっと並んでいます。

 

場所中はその日取り組みがある序ノ口や序二段の朝早く相撲を取る力士が、同じ部屋の関取の明け荷の場所取りをして準備しておきます。

 

  • 関取の着替え

まず支度部屋の自分の明け荷の場所に着いたら、着物を脱がせてステテコの状態か泥着※に着替えさせ、着ていた着物を畳んで風呂敷にしまいます。

 

※泥着。古くなった浴衣を稽古中やまわしを巻いてるときに着る汚れてもいい浴衣

 

  • おしぼりを作る

着替えさせたら、無地のスポーツタオルを3本~5本くらいを水道で絞って用意します。

 

ウォーミングアップ中、取り組み前、取り組み中、風呂あがりなどで使います!

 

  • テーピングやサポーターの準備、手伝い

部屋で大銀杏を結ってきてない力士は、来てすぐに大銀杏を結います。

だいたい30分から1時間くらいかかるので、付き人はその間に持ってきた荷物や明け荷の整理、その後の準備をします。

 

大銀杏を結い終わると関取がテーピングを巻くので、いつも使うテーピングやサポーター、足袋などを用意して巻くのを手伝います。

 

その他に関取が飲む水やスポーツドリンク、エナジードリンクアミノ酸プロテインなどの飲み物も用意しておいて渡します。

 

  • ウォーミングアップ

関取によってはテーピングを巻く前に風呂に浸かって体を温める人や付き人にマッサージをしてもらう人、ストレッチ器具を使ってストレッチする人もいます。

 

トイレやタバコを済ませたら、その日の自分の取り組み時間に合わせて締めこみをつけてウォーミングアップを行います。

 

十両土俵入りと幕内土俵入りの時間は決まっていて、幕下以下の取り組みの進行が遅くなって遅れなければその時間に行われます。

 

幕下以下の進行が早ければ、普段はしないですが幕下力士も塩を巻いて時間稼ぎをしたり、頻繁に呼び出しの土俵整備が入ったりして時間を調整します。

それでも早く終われば土俵入りまでは待ち時間になります。

 

土俵入りは化粧まわしをつけて準備しないといけないので、その時間に合わせてウォーミングアップ時間を決めていきます。

土俵入り後すぐに取り組みがある力士は、土俵入り前にアップしますし、土俵入り後時間がある力士は土俵入り後にアップします。

 

 

関取の締め込みを付き人が巻くと、そのあとはタオル持ちです。

さっき絞ったタオルと飲み物を持って関取の近くに立って、渡したり汗を拭いたりします。

 

基本的に四股、摺り足、鉄砲、腕立て、腰割り、トレーニングチューブやトレーニング器具を使ったトレーニング、付き人相手に立ち合いの練習、相撲の練習をします。

だいたい30分~1時間くらいしています。

 

 

ウォーミングアップが終わると付き人が締め込みをはずし、バスタオルか泥着を着せて土俵入り若しくは取り組み時間に備えます。

 

付き人は常に時間を気にして動き、関取の次の動きを把握していなければなりません。

支度部屋にはテレビがあり、取り組みの進行状況を逐一チェックしておきます。

 

  • 土俵入り

土俵入り10分前になると支度部屋に呼び出しが入ってきて拍子木を鳴らし、土俵入りの準備をする合図をしにきます。

 

その前にウォーミングアップで崩れた大銀杏を、床山が直し、テーピングの巻き直しやタバコを吸ったりして時間を待ちます。

 

木が鳴ると、化粧まわしをつける準備です!



稽古まわしや締め込みは下に何も履かずにそのまま着けますが、化粧まわしは汚してはいけないので晒しのふんどしを履いてから化粧まわしを締めます。

 

基本的に化粧まわしは二人がかりでつけます。

まず関取が柄の描いてある部分を両手で持つので、片方の付き人は化粧まわしのケツの部分を調整しおさえつつ化粧まわしを巻いていきます。

 

そのときにもう片方の付き人がまわしの部分を持って引っ張り巻きやすいように調整します。

 

 

関取が土俵入りをするために花道に向かうと付き人も忙しくなります。

支度部屋では付き人はみんなステテコ姿か上裸の状態なので、一人は着物を着て花道に行く準備をします!

花道はテレビ中継で映ることもあるので、ステテコ姿で出るのは禁止されています。

 

出番が早い関取はもう一人の力士は風呂の用意や締め込みとさがりを準備します!

さがりはまわしに挟む部分を濡らして、取れにくくしておきます。

 

中には締め込みに霧吹きや濡れたタオルなどで水をかけて、締めたときにカチカチになるように濡らしておく関取もいます。

 

琴奨菊関なんかも有名ですね🎵押し相撲の関取に多い印象があります。



風呂入れは湯かご、バスタオル、足拭きタオル、履き物を用意。

洗面器に風呂タオルを石鹸をつけて泡たてて置いておきます。

 

関取を花道に送り出して、準備が終わるとあとは土俵入りが終わるまでは休憩です。

そんなに時間はありませんがタバコを吸いにいったりと、関取がいない間は気が楽になります笑

 

ここまで読んでくださってありがとうございました。

次回も支度部屋での付き人の仕事の続きを解説します!どうぞよろしくおねがいします😃✌️