こんにちは元力士のパロニアです。
若い衆の給料は毎月もらえないのでいつも厳しい生活をしていました(笑)
ですがそんな中たまにもらえるご祝儀だったり、こういった慰問へ呼ばれ臨時収入が入ることもあり月に何回もあると嬉しかったです。
では今回は『慰問』でやることや、お礼のお金について話していきます!
『慰問』とは?
不幸な境遇の人や、災害、病気で苦しんでいる人などを見舞うことです。
間近で力士と触れ合い、喜んで元気になってもらいたいということで呼ばれて行きます。
まず慰問へはだいたいは後援会や相撲部屋関係者の知り合いなどを通して、相撲部屋や相撲協会へ依頼が来て、親方が慰問へ行く力士を選んで行きます。
慰問以外にも地域の祭りだったり、いろいろなイベントにも呼ばれることが多く、その都度幕下以下の力士にもギャラをいただくことができます。
慰問へは本場所期間中以外の日に行くんですが、その日には稽古をせず朝から行ったりすることもありやる気のないお相撲さんたちには嬉しい出来事です。
特に地方場所や部屋ごとで行う合宿などの時には、一年のうちににその期間しか力士が来ないので呼ばれることが多くあります。
どこへ『慰問』に行くのか
一番呼ばれるのは老人ホームで、障害者施設や病院、保育園、小、中学校へも行きます。
慰問以外に地域の季節の行事やイベント、祭りなどの際にもよばれたりします。
後援会や親方、おかみの知り合いが多く、慰問先への送り迎えや食事なども用意されていることが多いです。
『慰問』ですること
慰問はだいたい1、2時間くらいで予定されています。
始まる1時間前頃に控室に案内されて、施設の方と打ち合わせやお話をして待機します。
はじまるとまずは自己紹介、親方や力士、施設代表の挨拶があります。
- 力士への質問
- 握手や記念撮影
- 力士による四股や股割などの披露
- 技の実演
- 子供たちと相撲を取る
基本的にやるのはこれくらいで、季節によって餅つきや豆まきなどをメインでやりにいくこともあります。
『慰問』でいくらもらえるか?
慰問やイベントなどは少なければ月に一度も無いですが、多いときは10件くらいあったときもありました。
それは部屋の人気や、後援会の繋がりなどにもよるので、部屋によって全然違うと思います。
もらえる金額
慰問やイベントでも部屋全員で行くボランティアもあるので、0円の場合もあります。
関取だと一回で数万から十万、何十万になることもあります。
私たち幕下の若い衆ですと、少なくて5000~1万円で多いときは3万円や5万円くらいになります。
若い衆で10万円もらえるのも聞いたことがありますが、ほぼ無いと思います。
関取にならなくても人とのつながりを増やして、こういった慰問やイベントに参加してお小遣いを稼いで祝儀を集めて良い生活をしている力士は多くいます!
まとめ
今回は慰問について話しました。
関取になればこういったときにもらえる金額も跳ね上がるんですが、若い衆でもしっかりとした額がもらえていい収入源でした。
お金ももらえるのはもちろん嬉しかったですが、そういった慰問を通して高齢者だったりこどもたちから、お相撲さんがきたということで喜んでもらうことがすごく嬉しかったです。
自分は全く立派な人でも無いのに、お相撲さんというだけで感動してくれたり、応援してくれたりして普通に生きていたら体験できないようなことをさせていただきました。
重度の病気の方が入院している施設や障害者施設で頑張っている姿を見てこっちも元気をもらえましたし、 喜んでくれる人がたくさんいて『力士』になって良かったな。これからも頑張ろうという気持ちになれました。
一般人になってからはそういった社会貢献だったり、お相撲さんにしかできない役割というのが当たり前じゃなかったんだと思えて、みんなから愛されている力士のすごさを実感しました。