こんにちは元力士のパロニアです。
今回は私が現役を引退してから1ヶ月間で感じた、力士の頃と一般人になってからの違いを5選、紹介していきます。
その他にも色々とありますが特にこの5つが強く印象に残っていましたね。
力士によっても性格や考え方が違うのでなんとも言えませんが、私が感じたことをお話していきます!
それではよろしくお願いします。
お相撲さんを引退してから変わったこと5選
1、周りからの視線が無くなった
引退してから変わったことで一番衝撃的だったことは、まわりからの視線が全くなくなったことです!
このことは他に引退された元力士からもあまり聞いたことがなかったんですが、自分的にはなにかずっと縛られていたことから急に解放された感じがありすごく嬉しくて一番印象に残っています。
力士時代にはちょんまげがついているだけなのに、歩いているだけで「あ、お相撲さんだ!」とよく言われていて、特に夜に飲み歩いていると酔っ払いから「おい、相撲とり」とか「ごっちゃんです」とからかわれるのが嫌でした。
自分のことを応援してくれているかたたちや本場所に足を運んでくれているお客さんから嬉しいことに、写真を頼まれたり、差し入れをもらうことはよくあったんですが、自分のことを知っているのでそれはわかります。
ですが一般の全く相撲を知らないような子供連れのお母さんに、お相撲さんにだっこしてもらうと元気な子に育つということでよく声をかけられて赤ちゃんを抱っこしてあげて写真をとったり、相撲を知らない人から握手やサインを求められたり、写真を一緒に取ることが頻繁でした。
当時は大相撲というガチガチの縦社会、番付がすべての世界に身を置いていたこともあって、自分のことを全く知らない人なのに自分に声をかけてくれてそうやってしてくれることに対して、関取でもないのに申し訳ないなという気持ちもあり、勝手に卑屈な気持ちになり少し嫌になっていました。
付き人を長年していて関取のそういうファンの受け答えをまじかでみているので、握手やサイン、写真を撮るというのは関取じゃないと価値がないというような考え方をしていたので毎回嬉しい反面複雑な気持ちになっていましたね。
現役を引退して髷がなくなった私のことを元力士だと気づくわけなどなく、当たり前ですが一般のひとから声をかけられることは全くなくなりました。
それはそうなるだろうなとはわかっていましたけど、一番驚いたのはそうではなくて、髷をつけていたころは、ものすごく視線が自分に集まっていたんだなと気づいたところでした 。
今でも忘れない私が断髪した翌日に地元へ車で帰るとき、サービスエリアで休憩しようと思い車を降りて店に向かったあのときの、誰も自分のことを見ていない、誰とも目が合わない、俺は透明人間になったのか?という不思議な感覚に襲われました。
それと同時にやっと縛られていたものから解放された安堵感がぐっとこみあげてきて、とてもうれしかったことを覚えています。
私は元々、目立つことや人前に立つことが苦手だったので、街をあるいているだけで常にだれかからみられているような感覚がとても嫌でしたので、ほかの引退した力士よりもそういう感覚が強く感じれたのではないかなと思っています。
私はそのときに初めて番付に関係なくお相撲さんのすごさを身をもってわかり、力士というだけでいろんな人から注目されて声をかけていただく、そういう体験を今後一生ないんだなと思うと力士時代にいい体験ができたと感じました。
2、給料が毎月もらえる!
普通に働いている人では当たり前だと思いますが、幕下以下の力士からしたら給料が毎日もらえるということはものすごく嬉しかったです。
幕下以下の決まってもらえる給料というのは、本場所ごとにもらえる給金と呼んでいた養成員場所手当と6月、12月のボーナスだけでした。
金額は幕下15万、三段目10万、序二段8万、序ノ口7万(当時)で、もちろんそこから色々引かれるわけで、手元に残るのはその額の70%程度でした。(地方場所はひかれなかったです)
そこから場所ごとの番付代や携帯代などを払っていくと、二ヶ月で3,4万ですごさなくてはいけないようになってしまいました。
それだけでは厳しすぎるので、後援会やタニマチからのご祝儀や、慰問などの臨時収入を期待するしかなかったです。
初めて一般の会社で働いて、初任給をもらったときの喜びはすごかったです。
私は関取に上がれなかったのでひがみかもしれませんが、自分が稼いで生きていくためには大相撲の関取というものはほんの一握りしかなれず、より強く尊敬するようになったのと同時にちょっと割に合わないなと思うようになりました。
特に幕下に落ちてしまう関取や元関取で幕下に落ちてしまってなかなか十両に復帰できない人たちをみると、一回いい思いをしているだけにそうとうつらい思いをしているなと同情してしまいます。
相撲界へ入門して特殊な世界を知れたのは自分にとってすごく良い思い出になりましたが、私は相撲を少し離れて見て普通に生きていくほうが幸せだといまは感じます。
3、髪の毛が軽くなった
これは引退した力士からもよく聞いていて、実感できました。
髷を結っているときに頭が重いなと感じることはなかったですけど、一気にあの量の髪がなくなると一気に頭が軽くなりました(笑)
特に毎日髪の毛を洗うという行為に違和感を感じました。
相撲取り時代は髪がものすごく長くて、それにガッツリ油が塗ってあるので髪を洗うのに相当な時間と苦労をかけていました。
当時は当たり前でしたけど、断髪して油がついていない短髪を洗うと昔はすごかったなーと思いました。
4、兄弟子からのストレスが無くなった
幕下以下は全員大広間で雑魚寝です。
十両の関取になると部屋の個室もしくは、自分の家に住むことが出来るようになります。
ですので普通の会社員とは違って、嫌いな上司(兄弟子)ともプライベート関係なく常に同じ空間で過ごさなければいけないので、かなりのストレスでした。
昔の昭和の力士の話を聞くと自分だったら逃げ出してしまうような恐ろしいエピソードをよく聞いていましたが、現在はかなり緩くなっています。
ですが横なってくつろいでいるときでも、常に兄弟子や関取に気を張っていないといけなかったのでちょっとしんどかったですね。
力士をやめた今、関取クラスの待遇(一人部屋)が普通だと当たり前なんですが、ものすごくありがたく嬉しく感じました。
5、車を運転できるようになる
力士は車の運転は相撲協会から禁止されています。
よく力士が運転しているとニュースなどででることもありますが、力士でいる間は運転してはいけません。
例外として自動車教習所で免許を取りに行ったり、更新で乗ることだけは許されています。
ですので免許を持っている力士もたくさんいますし、特に引退が決まった力士は親方に許可をもらって免許を取りに行かせてもらう場合が多いです。
私も引退前に車の免許を取りに行くのを許してもらい、引退後第二の人生を過ごせるように取りました。
力士時代の交通手段は、電車、バス、タクシー、自転車で移動していました。関取になって番付が上のほうになると専属の運転手を雇ったりしていました。
大量の買い出しなどで車が必要な場合は、部屋のマネージャー、親方、おかみ、後援会の人が運転してくれていっていました。
現役のころは乗せてもらうのが当たり前だったので、自分で運転するのはちょっとこわかったですが、やっと一般人になれたという喜びもありました(笑)
まとめ
このほかにもちょっとした相撲界と一般社会の違いがあり、慣れるのに苦労しましたが、特にこれが変わったなということを5つ話しました。
特に自意識過剰といわれるかもしれませんが、まわりの視線がいっきになくなったことは衝撃的過ぎて一生忘れることはないと思います。
相撲界の良くないこともはありますが、関取はもちろんすごいですが、力士というだけですごいなと、やめたいまだから強く感じました。
私はいま頑張っている力士を応援していきたいし、昔よりももっと相撲のことが好きになり、相撲界に少しでも携われたことに誇りをもって生きていきたいと思います!
ここまで見てくださってありがとうございました。
これからもどんどん相撲のことを伝いて行きたいと思います。ぜひよろしくお願いします!
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