oozumo-hitosuji パロニアの相撲ブログ

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【お相撲さんの引っ越し】地方場所のときはどうしているの?

どうもこんにちは!元力士のパロニアです

 

 

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2月末にさしかかって大阪春場所も近づいてきましたね!

そろそろ大阪場所へ宿舎を構えるために、先発隊の若い衆がみんなより先に大阪入りして色々と準備する頃です。

 

今回は地方場所のときの生活はどんなかんじなのか。

色々と解説していきます!

よろしくお願いします😃✌️

 

 

 

地方場所とは?

まず地方場所とはなんなのか?

大相撲の本場所は年間で6回、開催されます。1月に初場所、3月に春場所、5月に夏場所、7月に名古屋場所、9月に秋場所、11月に九州場所があります。

 

そのうちの1月、5月、9月は東京の両国国技館で行われ、2場所おきに地方の大阪、名古屋、福岡で開催されます。

 

お相撲さんは一年の半分以上は東京の相撲部屋で生活しているんですが、3月の大阪場所、7月の名古屋場所、11月の九州場所のときは地方へ遠征して、各地に宿舎を構えて1ヶ月半ほど滞在することになります。

 

そのため地方場所が始まる3週間前~1か月前くらいから若い衆の何人かが先発で地方へ乗り込み、みんなが生活する宿舎の準備をしたりします!

 

地方場所の宿舎へはどうやって移動するのか?

基本的に先発隊の移動手段は部屋ごとに違います。

名古屋や大阪だと新幹線か後援会の方や部屋の車、バスを使って移動して、福岡へは飛行機で行きます。

 

先発以外の他の幕下以下の力士は、先発の力士と同じように部屋ごとにバラバラで行くこともありますが、基本的には『相撲列車』と呼ばれる新幹線で各地方へ向かいます。

 

相撲列車という新幹線では3.4両を相撲協会が借りて、幕下以下の若い衆、裏方さんが乗って移動します。

兄弟子で体の大きい力士は新幹線の座席を一人で2つ分使うこともありますが、でかくても新弟子だと他の兄弟子に気を使ってギュウギュウになりながら窮屈に座って移動します(笑)

 

車両内はものすごく異様な光景です!

大男が狭い室内にパンパンに詰められて、めっちゃデカイキャリーバックを1人一個ずつは持っていくので座席上の棚にはキャリーバックで埋め尽くされ、通路にも歩けないくらいの荷物があります。

 

車両と車両の間のトイレや出入口があるところにも座りきれなかったお相撲さんが立っていたり、そこの場所も荷物がギュウギュウになっています。

 

十両以上の関取衆や親方は、相撲協会から交通費は支給されるので自分達で新幹線や飛行機のチケットを手配したりして各自で行きます。

 

それ以外には2月(大阪場所前)と6月(名古屋場所前)には無いんですが、10月には地方巡業というのがあり、基本的に関取は全員参加で付き人は関脇以下で1人ずつついていきます。

10月の巡業に参加する力士は先発隊や相撲列車とは別に各地の巡業が終わり次第そのまま九州場所(福岡)に乗り込むことになります!

 

先発隊が先に行って準備すること

 

地方場所へ移動する日

大阪場所だとだいたい3月の第2日曜日から大阪場所が始まるので、その2週間前の日曜日に相撲列車は予定されています。

 

先発隊は相撲列車、もしくは後発乗り込みの力士たちよりは1週間前~2.3日前に地方へ乗り込みます。

 

親方から若い衆が何人か選抜されて、地方場所の宿泊先の掃除や準備など色々とすることになります。

 

先発隊の仕事

地方場所の宿舎は部屋によって色んなところに泊まることになるんですが、多いのは公民館や寺、一般企業の工場など、その地方の後援会の方々が協力してくださって用意してくれます。

 

  1. 挨拶まわり

    まずは宿舎を提供してくれる後援会の方やご近所へ挨拶まわりをします。

    その日の食事など、駅や空港から宿舎までは後援会の方が車などを手配してくれることが多いですね。

    1年に1ヶ月間のことなのでみんな喜んで歓迎してくれて、とてもありがたいです

  2. 掃除

    宿舎へ着いたその日のうちに、寝泊まりする施設全部の大掃除をはじめます。

    特に親方や関取衆は個室が用意されているので、しっかり掃除をして過ごしやすい環境を整えます。

  3. 土俵崩し、土俵つき

    地方場所の稽古する土俵は宿舎内か宿舎近くの土俵を使うことになります。

    力士が使う土俵は場所ごとに、土俵を全部粉々に崩してから一から作り直しています。

     

    地方場所だと特に1年に1度しか、来てつくり直さないので土俵はボロボロになっています。

    先発隊の力士総出で俵を全部スコップを使って取り出して、スコップや耕運機を使って土俵全面の土を掘り起こして粉々にします。

     

    1日2日かけて土俵をくずし、土に水を撒いて土のコンディションを整えます。

     

    同じ一門の呼び出しさんが土俵作りに来てくれて、力士も一緒に土俵づくりをして粉々の状態から専用の道具などを使い、およそ半日ほどかけて綺麗な土俵を完成させます。

     

    土俵をつくることを『土俵つき』といいます。

     

  4. 荷物の受け入れ

    相撲部屋の引っ越しにはたくさんの荷物を東京の相撲部屋から引っ越しのトラックで運ばなければなりません。

     

     

    まずは力士の個人の荷物ですが若い衆の個人の荷物はそれほど多くありません。段ボール1つか2つくらいで済みます。

     

    幕下以下の若い衆は全員、大広間に雑魚寝しているので自分のスペースをそれほど広く取れませんのでたくさん荷物を送ると邪魔になってしまいます。

     

    関取衆や親方の荷物はたくさんあります。

    関取衆や親方は1人1部屋ずつ、必ず個室が用意されます。

    部屋に置く扇風機や空気清浄機などの電化製品や、本場所で使う化粧回しや着物、紋付きなど関取の荷物は多くなってしまいます。

     

    これは全て付き人が、関取と一緒に準備、発送、宿舎の部屋に設置します。

     

    個人の荷物以外に宿舎で必要になってくる、ちゃんこ用の食器や鍋などの調理器具や、稽古で使う竹ぼうきやトレーニング器具、土俵つき用の道具なども送らなければなりません。

     

    お相撲さんは自動車の運転は禁止されていますので、買い出しなど出掛けるときは自転車で行くしかなく、自転車も一緒に送ります!

     

  5. 相撲幟をたてる

    地方場所と言えば、相撲部屋の宿舎や近所などに相撲幟が立つことが多いです❗️

    たてられた幟も全て若い衆がたてています。

     

    幟がたつと相撲部屋の宣伝になって、地方場所がはじまるんだな~と稽古見学に来てくださったり、色々と地元の人達も相撲部屋へ協力してくれます。

    後援会の人達も先発隊がやる仕事を色々と協力して下って、残りの力士たちがきて心地よく稽古やちゃんこを食べて、寝泊まりできる環境を整えていきます!

 

まとめ

このように先発隊の若い衆が相撲部屋の宿舎の細々とした準備をしてくれて、本場所に向けて力士たちが生活できるようにしています!

 

相撲列車で残りの力士たちが来ると、次の日は番付発表があり、2週間後には本場所が始まります。

そこにむけて必死に稽古して、その土地の差し入れなど美味しい食べ物やちゃんこをたくさん食べて、全員勝ち越し、優勝を目指し、番付をあげるように努力しています!

 

地方場所だと特に、宿舎を構えている地元の方や後援会の方々の協力や応援もすごく力になり、より一層気合いが入ります。

 

来月には3月大阪場所が始まるので、だんだんとこの時期に先発の力士が大阪へ移動しています。

各地方の応援してくれる方や人の繋がりを大切にして、少しでも番付をあげるように力士の皆様には頑張ってもらいたいものです。

 

 

今回はここまでになります。ここまで見て下さってありがとうございました!

 

これからも相撲のことを書いていくのでどうかよろしくお願いします🙇