前回は化粧まわしをつけて関取を土俵入りへ送り出すところまで話しました。
今回も引き続き付き人の1日の仕事を話していきます。
- 締め込みとさがりをつける
土俵入りの様子をテレビで確認して、関取が支度部屋に帰ってくるのを待ちます。
帰ってきたら化粧まわしを脱がせて明け荷にしまって、出番が早い力士はすぐに締め込みとさがりを準備します。
締め込みとさがりをつけるのも付き人2人がかりで行います。
1人が普通に締め込みをつけて、もう1人がさがりを準備します。
このときに関取自身で締め込みを濡らす人や締め込みにお守りを入れる人もいます。
締め込みをつけるのは付き人も一苦労で、普段の稽古回しよりも固くて、後ろの結びめを締めるのは大変です😖💦
たまに取り組み中にまわしが緩んで待ったになり行司さんが締め直したりしてますが、力士の力でもきついのに一般人のしかも年齢がいってる行司さんにはかわいそうなレベルで大変です笑
締め込みとさがりをつけたら、軽くウォーミングアップを済ませて花道に移動します。
花道に向かう目安としては、取組表の自分の2番前の力士が土俵にあがったら土俵溜りに座らないといけないので、3番前~5番前くらいに花道付近で待機しておかなければなりません。
付き人は常に割(取組表)を携帯し、取り組みの進行具合を把握しておきます。
出番近くになると関取と着物を着た付き人が花道へいきます。
付き人は飲み物、おしぼりなどを持っていき入場するまでタオル持ちをします。
幕内力士の場合は、もう1人着物を着た付き人が幕内力士用の座布団を運ぶ人も一緒についていきます。
出番になると入場する前に十両力士は呼び出しが土俵上で使うタオル(おしぼり)を取りに来るので、付き人が渡します。
幕内力士は付き人が先に土俵の方まで座布団を運び、おしぼりと座布団を呼び出しに渡します。
その場で少し待機し、呼び出しが座布団を前に座ってた力士のと入れ替えて渡されるのでそれを受け取り花道へ引き返し、その座ってた座布団の関取の付き人へ返します。
その後、関取が入場するので付き人はそれを見送り支度部屋へ帰ります。
- 取り組み終了後風呂へ
支度部屋へ帰ると関取の取り組みが終わるまでは支度部屋で待機、休憩です。
花道に行ってないもう1人の付き人は支度部屋では、風呂の準備、関取の明け荷まわりの片付け、帰り支度の準備などをして関取が取り組みが終わるまで待機します。
取り組みが始まるころに1人は花道へと向かいます。
幕内力士の場合は、自分の付いてる関取が座ってた座布団を入れ替りで座布団を持っていった他の関取の付き人がもって帰ってくるのでそれを受け取り、支度部屋に戻しにいきます。
その後取り組みが終わると花道で関取のさがりと土俵上で使ったおしぼりを受け取り、風呂へ誘導します。
幕内力士だと大相撲中継のインタビューがある場合は、事前に付き人に話されるのでインタビュールームへと誘導します。
支度部屋に帰るとそのまま風呂に直行し、締め込みをはずし風呂に入ります。
風呂ではもう1人の付き人がパンツ一丁で風呂の用意をして待機していて風呂入れをします。
風呂に入っている間にもう1人は締め込み、さがりなどを明け荷にしまい、帰り支度、関取の風呂あがりの着替えを用意します。
- 大銀杏をちょん髷に直し、帰宅
風呂から上がると床山さんに髷を直してもらいます。
5分くらいで髷は直せるので、風呂入れをしていたパンツ一丁の付き人は風呂道具を片付けて帰るために着物を大急ぎで着替えます❗️
髷を結い直してる間、付き人は関取をうちわであおぎます。
このときにだいたい記者の人達が関取を囲んで取材をしています。
髷を結い直し終わったら関取を着替えさせます。
夏場だと関取も浴衣で、冬場はどてらという着物を着させて帰宅します。
着替えさせている間はもう1人は、明け荷に荷物を全てしまって明け荷を縛ります。
帰りに付き人が行くときに預けたケータイを世話人から受け取り帰宅します。
- 帰宅後、洗濯、ちゃんこ、掃除
部屋に帰るとまず関取の着物を脱がせます。
場所入りしたときに着た着物をハンガーにかけなおしたり、支度部屋で使ったおしぼりやバスタオル、泥着などを洗濯します。
これは15日間使い続けるので、毎日、洗濯、コインランドリーで乾燥しなければなりません。
部屋によって変わりますが、付き人をしに1日中本場所に行っててもちゃんこ番をしないといけない人や関取の部屋掃除をしないといけないこともあります。
ちゃんこができたら、関取の食事の給仕をして関取が食べ終わってから順番にちゃんこを食べていきます。
みんながちゃんこを食べたら片付け、皿洗い、掃除をします。
その後コインランドリーへ行き、乾燥をします。
締め込みをびしょびしょに濡らす関取は毎日持ち帰って、陰干しして乾かさないといけません。
その他に関取のお使いなどをしてから部屋に帰ります。
帰ると明日の自分の取り組みの用意や、関取が使う本場所へ持っていく荷物を準備して1日の仕事が終わりです。
まとめ
十両の関取につくと早くて12:00頃から遅くて16:00まで本場所で仕事をして、幕内だと14:00から18:00頃まで付き人の仕事をします。
十両の関取についていると早く部屋に帰れるので、付き人以外の部屋の仕事もしなければいけません。
幕内上位力士の付き人だと帰ると19:00、20:00くらいになりそこからやることもたくさんあるので毎日寝れるのは夜遅くになることもあります。
付き人として支度部屋で仕事をしていても、まわりの関取は集中してウォーミングアップしていて気迫がものすごく、特に三役、横綱クラスの威圧感は力士からみても凄まじいです。
その雰囲気の中で、常に回りの関取に気をはらって仕事をしないといけないので緊張感はものすごいものがあります。
付き人は全員がなれるものではありませんから付き人として支度部屋でそういう雰囲気を肌で感じれる経験はすごく大きいです。
いつかはこの人たちみたいになろうという気持ちを抱いて幕下以下の力士たちも日々稽古に精進しています❗️
ここまで読んでくださってありがとうございました❗️
またこれからも私が知っている相撲のことを発信していきたいと思います。
なにか質問があればコメントしてください。
よろしくお願いします🙏