oozumo-hitosuji パロニアの相撲ブログ

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なぜお相撲さんは四股を踏むのか?四股の効果や重要性とは?

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こんにちは元力士のパロニアです!

 

四股は相撲の一番の基本で、相撲の練習といったら四股を思い浮かべる人が多いと思います。

 

相撲部屋に入門したらはじめのうちは、基礎練習の四股と股割りを徹底的にやらされました。

 

何百年も続く相撲の歴史において、なぜ四股は現代でも踏まれ続けているのか?

今回は四股の効果ややり方などを話していきたいと思います❗️

 

なぜお相撲さんは四股を踏むのか?効果や重要性とは?

 



 

  • 四股の歴史

四股はもともとなぜ踏まれるようになったか?

 

現代の髷を結って土俵入りなどをする興行的な職業としての大相撲というのは江戸時代ごろからはじまりましたが、相撲というのはもっと古い時代から続いています。

 

元々の相撲は日本古来の神事や祭りからはじまっています。

全国各地の神社で五穀豊穣を願う儀式として相撲をするようになり、邪気払いのためにその土地を清めるということで四股を踏むようになりました。

 

伝統的な所作でもある四股は、儀式だけのためではなく効果的な相撲トレーニングとして必須であり、一番重要視されています。

 

 

  • 四股によって鍛えられる場所

力士は四股を毎日何百回も当たり前のように踏んでいて、見た目では簡単そうに見えて難なくできてしまいますが、ちゃんと意識したキツイ四股を踏むと10回やるだけでも相当しんどくて足がパンパンになります。

 

まず力士は朝稽古では一番はじめに四股を踏みます。

どの部屋でも30分~1時間、200、300回くらい行います。

最初のトレーニングなのでまずはウォーミングアップ間隔できちんとした四股を踏んで慣らしてから、他の基礎練習に入るとてもいい種目だと思います!

 

 

  1. バランス感覚(体幹)

     

    そもそも相撲は地面に足の裏以外の他の体の部分が触れるか、直径約4.5メートルの円から出ると負けという単純なルールの競技です。

     

    平均180cm以上、体重160kgの巨漢同士がその小さな円の中で戦う訳ですから、いかに自分の持ってるパワーを相手に最大限ぶつけつつ相手のバランスをうまく崩すかにより勝敗は決まってきます。

     

    しかも相撲は他のスポーツとは違っていて、両手は素手で、身に付けるものはまわしだけで裸足です。

    ですので地面についている足の裏や指先の感覚を大事にして、そこを軸に体の使い方をうまく使えるように稽古します。

     

    どれだけ体を連動させて自分の力を発揮できるかは上体の力よりも足腰の力、体を支えるバランス感覚がとても大事になってきます。

     

  2. 股関節の柔軟性 

 

四股を踏み深くまで腰を下ろすことで股関節まわりの可動域が広くなり、柔らかくなります。                                               

 

相撲の基本姿勢である仕切りのときのような腰を割った体勢の安定感や、力の伝達をスムーズにさせることもできます。

 

それに股割りと同様に股関節や下半身を柔らかくさせ怪我のリスクを減らすことにもつながります。

 

 

      3.足腰の筋肉

主に太ももの前側にある大腿四頭筋内転筋、太ももの裏のハムストリングス、尻の大臀筋腸腰筋腹筋です。

 

四股は片足でやる複雑なスクワットみたいなものなので、体重150kg以上もあるような力士では自重でやるのでも相当辛く下半身の筋肉がまんべんなくしっかりと鍛えられます。

 

しっかりと体重移動を意識して、足の筋肉を使って足をあげることにより効率的に筋肉を鍛えられます。

 

  • 四股のやり方

 

四股は相撲をやっている人は必ずやりますし、強くなるためには一番大切な練習です。

 

しかし相撲をやってない一般の人にでもオススメしたい運動です。

 

1.両足を肩幅より大きく1歩ずつ外側に開いて、つま先を外側へ開き腰を割る。(相撲の基本姿勢)

腰を下ろすときは下げすぎると負荷が逃げて楽になってしまうので、太ももの筋肉に力が伝わる位置でしっかりと止めます!

 

 

2.まずは腹圧に力を入れて、腰をおろした状態から左足に全体重を乗せる。

※軸足の親指に力を入れる(土俵をかむという表現が使われる)と不安定さが減り、体重移動と足をあげやすくなります。

 

親指に力を入れつつ、内転筋を意識して太ももを内側にいれる感覚で行った方が良いです。

 

 

3.しっかりと左足に体重移動をしてから右足をあげはじめる。

 

足を上げるときには、軸足方向へ引き寄せてあげてはいけません!

真上に上げるつもりで地面から離れたらそのまま上へあげていきます。

 

四股を踏むときは体は常に正面を向け、体も軸足方向へひねらないように注意します

 

4.軸足を伸ばし、右足を上で2.3秒静止

しっかりと軸足の親指に力を入れ、ふらつかないようにする。

 

5.ゆっくりとあげたほうの足をつま先から下ろしていき、腰を下ろす

 

この動作を片足ずつ交互に行っていきます。

 

こんな地味できついトレーニングを毎日しているお相撲さんの足の筋肉はものすごくあります。

しっかりと稽古ができている力士は脚が太くて安定感があり、ちゃんと四股を踏んでいるんだなと分かります。

 

 

まとめ

昔から伝統的な所作としてのかたちだけではなく、理にかなった相撲をやる上で必要な筋肉を鍛えられる素晴らしいトレーニングだと思います!

 

稽古で見ていても番付が上の力士になるほど、安定感のあるキレイな四股を踏んでいるように感じます。

 

力士にとってウエイトトレーニングも大事ですが、四股、鉄砲、すりあしという相撲に欠かせない基礎練習に重点を置いて真摯に取り組む姿勢が強くなるためにはとても大事だと思います。

 

 

ここまで読んでくださってありがとうございました!

これからも相撲について語っていきたいと思います。よろしくお願いします❗️🙇